Wed
Jun 20
2012
モスクワのサボテン
こんな真夜中に治療院にまだ残っています。
今夜は台風4号の影響できっとヒマだろうし、
早仕舞いしようかな……と思っていましたが、
風雨の中でも疲れを溜め込んだ患者さんが来られました。
PHOTOは昨夜花開いたモスクワ育ちのサボテンです。
当院の患者さんだったロシア人のTさんから頂いたものです。
冬は厳寒のモスクワでサボテンとは、ちょっとイメージが湧きませんが、
新潟と同じように室内で冬を越させるのだそうです。
けっこうサボテンは人気があるとか。
この白い花はユリの花のような甘い香りを漂わせています。
虫を誘って受粉させるのだと思いますが、
私の育てているサボテンの中で、
香りの高い花を咲かせるのはこれだけです。
宵に開花し、翌日の昼には萎れてしまいます。
夜に咲く花はほとんどが白く、
太陽が昇ってから咲く花は赤や黄色や紫や原色系のものが多いのです。
白い花は月明かりでも目立ちますし、
原色の花は昼間に目立って、虫を誘えます。
サボテンの花に原色系のものが多いのには、
もう一つ理由があります。
サボテンの原産地は沙漠なので紫外線が強く、
紫外線は体内に入ると有害な活性酸素を発生させますが、
サボテンはカロチンやアントシアニンなどの抗酸化物質の色素で
種を作る花を守っているのです。
その辺の話は、
『ふしぎの植物学』(田中修著/中公新書)に書かれています。
by at 01:46